◆世界第3位の大きさを持つ「ビクトリア湖」。
湖上の群島を巡りながら、 「医療」や「教育」の体制を見学する。
7:00ビクトリア湖岸の街・ビタのロッジで、 カバの鳴き声、鳥のさえずりで目覚め。
朝食を頂き、荷物の整理。
8:30に集合し、 9:00ロッジ前の浜からボートに乗り込み、 ビクトリア湖内の群島巡りをスタート!
「少年ケニアの友」の皆さんは、 ボートでこの島々を巡りながら医療・保健指導を実施されている。
現地の状況や問題を確認しながら、その活動内容を伺う。
▲訪問したニャンザ州は、ビクトリア湖岸の街で、 南部はタンザニア国境と接している。
特に群島が位置する「スバ県」は、 ケニア国内でも有数の医療・保健劣悪地域。
×乳児(1歳未満)死亡率は、 1,000人に対し約150人(ケニア平均の約2倍)、 ×幼児(5歳未満)死亡率は、 1,000人に対し約250人(ケニア平均の2.5倍、日本は4人)、 ×平均寿命は40歳に達せず、 ×HIV感染率は40%超(ケニア全体では約7%) などの指標が示す。
10:00には、最初の島・キブオギ島に上陸。
小さい島に約1,000人の住民。島に唯一の小学校を訪問。 80名の子どもと7名の先生。幼稚園も建設中。
目がキラキラ。元気に学ぶ子どもたちに挨拶。 日本から持参した鉛筆とノートのプレゼント。
大きくなったら何になりたい?との質問に「パイロット」。 でも飛行機実物は見たことがないらしい…。頑張れ!
ボートに乗り、荒波を乗り越え、 びしょ濡れになって、次の島に進む。
11:00には、 群島で最大の島「ムファンガノ島」に上陸。 現地の教会にて、医療や保健の指導も行う、 カトリック教会の牧師、シスターと意見交換。
やはりHIV陽性やエイズ発症も多いが、 ▲現地に古くから伝わる「チラ」という病気(症状はエイズと同じ。神に背いたことが原因で罹ると言い伝えられている)と混同され、その予防や治療への理解が得られにくいこと、 ▲予防の1つとされる「コンドーム」の使用を巡る教会と政府・関係者との見解の相違 など、予防や治療が進まない原因の一端も伺い知る。
13:00前には、 3番目の島、今夜の宿泊地となる「リンギッティ島」へ到着。
当然、電気はなく、発電機のみ。 水道はなく、トイレも簡易トイレのみ…。 島のホテルの宿泊料は「200ケニアシリング(約300円)」!。
多くの漁師・漁船で賑わっている。 大音量で音楽が鳴り、漁師が次々と魚を水揚げし、 活気に満ちている。
島民は6,000名。短期的な漁の出稼ぎなどで形作られる島。 それだけに衛生も、医療・保健も、教育も劣悪さが際立っている。
出迎えて下さった島のリーダーの方々と懇談。
島民6,000名のうち、 判っているだけで男性の34%、女性の47%が 「HIV陽性」という報告に驚く。 検査機関である「VCT(Voluntary
Counseling and
Testing)」 はなく、病院もなく、医療スタッフもいない。
この島では、「貧困」というより、 港町ならではの開放感、欲求充足感に身を任せている… という感じがする。 「エイズ」に対する理解は進まず、予防や治療も普及しない。
島民の注目、子どもたちの歓声の中、小学校、警察などを訪問。 OPECの支援で新たな小学校も建設中…とか。
15:00以降は、島でゆっくりと過ごす。
漁師の仕事の様子を眺め、島民の方々と語り、 子どもたちと戯れながら…。
17:00頃からは島のクリニックで働くスタッフの方々と語る。
上水道はなく、下水道はビクトリア湖に垂れ流し。 その湖水がそのまま飲まれる。
薬品や医療設備の不備よりも何よりも、 衛生状態の悪さを嘆かれていた。
「緊急で必要なものは?」の問いに、 「きれいな水」の答え。やはり、「水」は生命の基礎。
19:00には夕食。 食堂で現地食を作って頂き、手で食べる。 ビクトリア湖で獲れた魚のフライ、ウガリ…など。 電気なく真っ暗の中、手で食べるのは難しい…。
20:00夕食後、 島内の映画館(ビデオを上映する小屋)へ。
島民が楽しんで鑑賞中のビデオ映画を中断! ブーイングの中、「エイズ問題」についてのビデオ上映。 現地の方々の「反応」を見る。
シチュエーションも考え、 現地語でアニメ仕立てで作られた10分間のエイズ啓発ビデオ。
エイズで両親を亡くし、孤児になっても諦めずに頑張る・・・ というストーリー。子どもたちも真剣に観ていた。
20:30大音量で音楽が鳴る中、眠る。
狭く、暗い部屋で、「マラリア蚊」を避けるべく、 「蚊帳」(破れていて意味がない…)の中で、 「蚊取り線香」も3つ焚いて、恐る恐る…。
何とも不気味なところ…?!
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Date: 2006/08/03
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