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  国会飛脚便 三日月大造国会質疑概要
REPORT


 

VOL.98 

規制緩和の見直しを!
タクシー事業の適正化と活性化は不可避の課題!
    本会議5回目の登壇! 平成21年4月21日
 
質疑の様子をムービーでもご覧いただけます → 


 

4月21日(火)に開会された衆議院本会議で、三日月議員は5回目の登壇!
政府提出の「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案」に対する代表質問を行った。同僚議員の応援と拍手を受けながら、威風堂々!
この間、民主党内で独自のタクシー政策・法案づくりの中心メンバーとして作業を行ってきた三日月議員。
規制緩和の結果、各地で生じている看過出来ない様々な問題を指摘しながら、関係大臣らに質問。(15分間)

   
 

●近年のタクシー政策は、明らかな「失敗」だ!

 冒頭、「小泉改革の流れの中、2002年の改正道路運送法施行により、規制緩和が行われ、タクシー行政は大きく変わった。待ち時間の短縮、多様なサービスの導入など、プラスの効果も見られるが、看過・放置出来ない多くのマイナス効果が、各地で発生している。」と指摘。

「▼タクシー車両の大幅な増加による供給過剰、▼低賃金や長時間労働など、タクシー運転者の労働条件の悪化、▼タクシー事故の増加、▼渋滞による都市問題、空車走行や客待ちによる燃料諸費(地球温暖化)」等の具体例を示した後、「近年のタクシー政策は、明らかに『失敗』だった。」と主張。

金子国土交通大臣に、この間、「経済的規制の緩和一辺倒であったタクシー行政の総括と検証」を、舛添厚生労働大臣には、「タクシー運転者の労働条件の現状、監査と法令違反の実態」について説明を求めた。

国交大臣からは、「規制緩和の実施に当たって、運輸政策審議会で幅広い関係者から意見を聞き、必要な準備をして上で実施した。規制緩和のプラス面は、今後も生かしていく必要がある。公共交通機関としてマイナス面が生じていることも事実であり、是正を図ることは必要だ!」との答弁。  

厚労大臣からは、「タクシー運転者の平成20年の年間総実労働時間は2,388時間(+240時間)、年間賃金は325万円(▲161万円)。労働基準監督機関において、タクシー運転者の労働条件の監督指導を重点的に実施。平成19年は712件の監督指導を実施し、労働基準関係法令違反の件数は611件、労働時間等の改善基準違反は384件。」との回答。


●供給過剰状態の是正策は?

民主党は、【タクシー改革ビジョン】を策定。内容は、 利用者の利便性と安全性を確保しながら、運転者の労働条件を改善するため、●「公共交通機関」としての位置づけ明確化と地方分権、●需要拡大への努力と、供給調整のための実効ある仕組みづくり、●地域ごとの「安全に配慮した適正な運賃」の必要性。説明した上で、特措法案への疑問。

1)供給過剰状態への対策が不十分…。「供給過剰」の定義は?
  利害が相反する関係事業者の協議会への参画はどう確保?
  特定地域での新規参入と増車の歯止めは?
2)特定地域の指定を、都道府県知事や市町村長から大臣に要請できるようにすべき!
3)減車措置等の実効性は如何に担保?インセンティヴのメニューが必要。
4)『個人タクシー』の位置づけは?…等、質す。
 
国交大臣から、→1)「供給過剰」とは、供給輸送力が輸送需要量に対して過剰であること。法の施行に当たり、より具体的な基準を定める。協議会への参画は、自主的判断に委ねられているが、多くの事業者の参画が得られるよう努める。安易な供給の拡大を招く新規参入や増車の申請は、厳に抑制する方向で対応する。

→2)特定地域は、法の規定に基づき、具体的な基準によって指定する。特定地域におけるタクシー事業の適正化・活性化を図るためには、当該地域の幅広い関係者の参画を得ることが重要。  

→3)複数の事業者が協調して減車を行う場合、事前に国交省と公正取引委員会が調整を行うことにより、減車が円滑に進められる仕組みを用意。これを最大限利用しながら、地域の状況に応じて適切に実施されるよう努める。減車に対するインセンティヴについては、特定事業に対する既存の制度を活用するなど、今後検討する。

→4)『個人タクシー』についても、安易な供給拡大の抑制対象。地域協議会への参画を促していく。等の答弁。


●「道路運送法」の改正が必要!

三日月議員からは「『道路運送法』そのものを改正すべき!」と指摘。目的に『公正な競争を確保すること』を明記し、法律そのものの性格を改めるべきこと、需給バランスを保つため、新規参入は『需給を勘案した許可制』に、増車計画は『需給を勘案した認可制』へと改めるべきことも主張。

国交大臣からは、「供給過剰の問題は特定の地域で発生。問題への対策は、地域と期間を限って実施することが適当…」との交政審答申を踏まえ、「今回の法案は、供給過剰の進行により問題が深刻化している地域において、必要な措置を講ずることを目的として提案した。」「道路運送法は、バス事業等についても規定。公正な競争の確保という目的規定の追加を、タクシー事業についてのみ行うことは不適当。新規参入と増車計画については、この法案で必要な法的措置を講ずることができると考える。」との認識も示される。


●「運賃問題」への対策がない…

特措法案が、「運賃問題」に言及されていない点を指摘。「現行の上限運賃制では、行政の監視が不十分で、『下限割れ運賃』が続出…。法令違反も横行、利用者の選択可能性も確保されないまま、安全を度外視した過当な運賃競争が野放しになっている。」との現状認識とともに、「運賃及び料金は、『適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること』という現行規定を、『適正な原価に適正な利潤を加えたものであること』と変更し、タクシーが公共交通機関であることを前提に、地域ごとに『安全を確保するための適正な運賃』を定める制度とすべき。」と提案した。

また、「悪質事業者の市場からの退出を促すために、事故報告をより広く、より早く求める規定の必要性」、「運転者の拘束時間等を定める『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準』の法定化の必要性」を提案。

×通達で禁止しながら、実態として横行する「累進歩合制賃金」と、×事業者責任を放棄する「名義貸し」については、「早急に改めるべき!」との視点での決意を求め、「運転者資格制度」創設についても、政府の見解を質す。

国交大臣より、「交政審答申で、『安い運賃で、適正に事業を行っている者に対し、値上げを強制することは法的に困難で、利用者の理解も得がたい』とあり、今回、法律案に盛り込まず…。労働条件の悪化につながる過度な運賃競争への対策は必要であり、ガイドラインを明確化し取り組む。事故報告の範囲等の拡大は、これまでも必要に応じ見直しており、引き続き、事故報告体制の充実に努める。『名義貸し行為』は違法行為。昨年作成した判断基準に基づき、厳正に対処する。『資格制度』は、法人タクシー制度との関係を含め、慎重に検討する。」との答弁。

厚労大臣からは、改善基準告示の法制化について、「関係労使含め、社会的合意を得ることは困難…。」との答弁。また、累進歩合制賃金について、「タクシー運転者の長時間労働やスピード違反を誘発する恐れもあり、望ましくない。廃止するよう指導を行っている。採用しているタクシー事業者に対し、引き続き粘り強く指導を行っていく。」との回答。



●政権交代は、日本の経営改革!

最後に、三日月議員から「近年、弱き人々を救うべき政治が、弱き人々をどんどん生み出してしまっている。ルール違反を看過し、まじめに頑張る人々の意欲を削ぐ行政を行っている。」と指摘。

昨年秋から次々出される政府の経済対策への疑問を呈し、日本の力と心を最大限発揮するためにも、「総選挙は、国民の良識による選択。政権交代とは、日本の経営改革。民主党は、タクシー行政はじめ、真に公正な政治と行政を追求し、行き詰まった日本の経営改革を断行していく!」と誓い、質問を終えた。


 

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