●全国の産廃不法投棄の実態は?
最初に、地元栗東市の「RD処分場問題」について、不適正処分の実態とこれまでの経過を説明した後、「全国に不法投棄の残存事案はどの程度あるのか?」を確認。
平成19年度末で、総量2,753件、約1,633万トンのうち、「特措法対象の平成10年5月以前投棄の残存事案が83件、約705万トン。うち、特措法を適用して事業中の事案が10件(約392万トン)、事業完了が2件(約12万トン)、法相談中事案が2件(約207万トン)、その他事業一部着手中のもの29件(67万トン)、事業未着手のもの40件(約27万トン)。約600万トンが特措法により、対策済みまたは対策中または検討中。」との報告。
三日月議員からは、「不法投棄の時期、支障の有無も不明の事案も多い。実態を早急かつ詳細に調査すべきだ!」との主張に対し、「環境省として、(調査時期を前倒しして)一歩踏み込んだ実態把握を行う。」との答弁を得る。
また、「産廃特措法の適用を検討中の事案について、支障除去対策の選択肢のうち最長のものはどれぐらいか?」との質問には、「相談を受けている2件について、県としての最終結論を出していない。今の時点ではわからない。」との回答。特措法の期限は平成24年度末(あと4年)。しかし、RD事案の対策工検討では「約13年」かかる案(全量撤去案)も出されている。
●産廃特措法の延長は不可避!
「全量撤去し無害化しない限り、地下水等のモニタリングが必要。モニタリングの状況は?」と質すと、「支障除去代執行を行う都道府県がモニタリングを行っている。経過・結果は各県から報告を受け、対応に努めている。」と、嵩むモニタリング費用等、各地の苦労をまるで理解していないような紋切り型の答弁。
さらに、「全国の産廃不法投棄の残存状況は、投棄の時期や支障の有無など不明なことも多い。財政難の折、モニタリング等の費用負担も過重。今後、踏み込んだ調査を行った結果、さらに不法投棄や不適正処分の事案が発覚する可能性もある。平成24年度末に失効する産廃特措法の期限を延長して、産廃処分の不適正事案の汚染、支障を後世に残さない対策をとるべき!」と、重ねて迫った。
斉藤大臣からは、「問題意識は十分に理解しているが、法施行後6年近く経過し、順調に支障除去が進んできた面もある。期限内に終わらせようと努力中の自治体もある。他方、不法投棄などの残存事案が残されていることも重要な課題だ。三日月議員からの指摘もあり、残存事案について、より踏み込んだ調査を実施する。」従前よりは少し前進の答弁。
●原因者に対する確実な費用求償を!
最後に、「産廃特措法に基づいて行政が代執行を実施した場合、これにかかった費用は、原因者に費用負担を求める」との基本方針を踏まえて、求償の状況を確認。代執行で1,179億円の費用を要するも、求償額は6億数千万円に過ぎないという酷い実態が報告された。
「逃げ得」は許されない。大臣からも「社会不正を許さない仕組みを考えていかなければならない。」との共通認識が示された。原因者の財産などの早期仮差押え措置などを検討していく必要がある。
※民主党では、8日、「次の内閣」において、三日月議員が中心となって取りまとめた、期限を10年間延長することを内容とする議員立法「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(通称:産廃特措法)の一部を改正する法律案」が正式承認され、近く衆議院に提出されることになった。【別添資料】
|