●成田空港貨物機事故とJRバス炎上事故について
冒頭、今月23日、成田空港で発生した貨物機事故について質問。「当日のウインドシア(風向や風速が大きく変化すること)情報の伝達状況」「滑走路再開の、運輸安全委員会の承諾」など、事実関係を確認。
また、16日に発生したJRバス「メガライナー」炎上事故についても質問。昨年5月に続く同型車の炎上事故であることを重視。前回事故後の調査や運転再開への対応のあり方(原因不明のまま運行再開)に疑問を呈し、「原因が判明するまで運行すべきでない!」と指摘。
また、「運輸安全委員会設置法」についての昨年の同委員会質疑を踏まえ、「バスやタクシーなどの事業用自動車の事故についても、再発防止の観点から、国として調査体制を確立・整備すべきだ。」と主張。加納副大臣からは、「三日月議員の提案により、運輸安全委員会設置法の施行状況を勘案し、組織のあり方について十分検討を行うことが明記された。国交省として、自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会の下に、調査委員会を設け再発防止策を検討する。」との答弁。
●道路に偏り過ぎだ!「一般財源化」で変わるのか?
本題に入る。昨年の国会では、『特定財源の役割は終えた。一般財源化すべき』との民主党の主張に対し、政府は特定財源の維持を主張していた。「今回の方針転換を、どう反省し、説明するのか?」との問いに、金子大臣は「野党の意見や国会審議を通じて、政権与党として、『一般財源化』にカジを切った。まさに政治のダイナミズムだ。」と、開き直りのご答弁。
三日月議員は、独自に調査に基づきまとめた行政投資実績報告書【別添】を示し、国と地方を合わせても、約30%の割合で投資が行われてきた道路投資について、その偏った社会インフラ投資の実態について、大臣の見解を質す。「確かに、特定財源があるがゆえに枠組みとして維持されてきた。それだけ地方からも(道路整備への)需要が大きかった。」との認識を示す。
三日月議員は、「特定財源として、使途が限定されてきたことが、このように道路偏重の、硬直化した社会インフラ整備になっていた。」と指摘し、「一般財源化により、歳入・歳出がどう変わるのか?一般財源化の定義とは?」を問う。道路局長からは、「揮発油税等の歳入を道路整備に使うという義務づけをやめ、完全に一般財源化する。道路予算でいえば、ガソリン税を直接充当して道路整備をする制度がなくなるということ。」との説明。道路偏重の国土交通行政が改められるのか、は、依然、疑問…。
●一般財源化により、受益者負担の原則は消える。しかし、暫定税率が維持される矛盾…。
道路特定財源の根拠として述べられてきた「受益者負担の原則」。「一般財源化」により、その因果の関係が「消える」という与謝野財務大臣答弁を引きながら、「『一般財源化』により、受益者負担の原則が消えるにも関わらず、暫定税率が維持されることの根拠は?」と質問。
金子大臣は、「今後、税制の抜本改革時に検討することになった。その間、@地球温暖化問題への取り組み、A地方の道路整備の必要性、B国・地方の厳しい財政状況、を踏まえ、現行税率を維持することにした。ただし、納税者の理解、景気及び環境対策という観点から、自動車関係諸税の負担を時限的に軽減する措置を行っている。」との政府・与党の合意内容を説明。
地方の道路整備や厳しい財政状況対応のための負担を、税制抜本改革先送りのツケを、「自動車を買う人と持っている人、そして運転して走らせる人」、いわゆる自動車ユーザーに安易に求める姿勢は依然変わらず…。
最後に、全国に42ある地方道路公社の累積債務について、「要償還という考え方だと、42道路公社の総計は3兆6千億円ある。」との数字が明らかにされた。
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