●いつでも利用できる学校図書館に!
まず現状を確認。「学校図書館図書標準」を達成している学校は、小学校42.0%、中学校が36.8%。少しずつ向上してきているものの依然低水準で、文科省担当局長をして「十分に進んでいるとは言えない状況」。予算不十分な中、冊数確保のために必要な廃棄・更新が行われない現実もある。
図書整備が進まない原因として、学校図書館関係予算が大幅に減っている現状を指摘。大臣のからは、「国では、平成19年度からは、新しい5カ年計画を策定して、130億円から200億円に単年度の財政措置を増額しているが、肝心の地方自治体において、予算措置されない現状も。目標期間を設けて対策を検討する。」との答弁。
そもそも、「小中学校の学校図書館はどうあるべきか?」との問いに、大臣は、「(学校図書館は)子どもたちがいつでも使える、多くの図書が設置されている、いろいろな本が読める状況であるべき。」と。こうした見解が公式に示されたことは大きな成果!
●やっぱり、専任の司書の配置が必要!
いつでも利用できるようにするためには、人の配置が必要だ!」と、まずは現状を質す。局長から、「司書教諭配置は、法定の12学級以上の学校では、ほぼすべての学校で配置済み。11学級以下の学校を含めた全体では約6割の発令。学校図書館担当の職員は、小学校で35.7%、中学校で37.1%。」との報告。大臣からは、「全体の定数の改善を目指して毎年努力している。『誰もが、いつでも利用できる学校図書館を』という目標実現に向けて、人員配置のことも含めて考えていく。」と明言。
5カ年計画に基づく図書購入費としての年間200億円の交付税措置が、各市町村で予算化されない現状についても質す。「国として措置した予算は、地方においてもきちんと予算化されるようしっかりとチェックしていく。チラシやパンフレットに加えてポスターも活用して啓蒙に努める。」との回答。
「国会図書館や公共図書館などと学校図書館とをネットワークでつないで機能を高めるなどの具体的な取り組みを行ってはどうか?」との提案にも、大臣から「大事な指摘。やれば出来るようなことが行われていない。国会図書館や地域の図書館と学校図書館の連携が進めば、活用も広がる。どこまでできるか是非検討したい。」との賛意。三日月議員からは、これまでの取り組みや現状など、一度、きちんとした調査を行うべきだとも指摘した。
●国語教育から学校図書館の活用へ…
「新しい学習指導要領では、『選んで読むこと』、『複数の本や文章などを選んで比べて読むこと』などと定めている。学校図書館の役割も重要に…。図書館の充実を図る良い機会。」と、国としての積極的な取り組みを促した。
国語教育についても質問。「すべての基礎となるのが『国語』。小学校低学年の国語は大事。外国語教育よりも、日本語の教育に力を注ぐべき。」と主張。大臣からは「国際的な学力調査(PISA)でも、日本の子どもたちの読解力が低下傾向…。新しい学習指導要領で、小学校低中学年と中学二年生の国語科の授業時数を増やすとともに、言語活動も積極的に取り入れ、学校教育全体で国語力を育成することになっている。」
最後に、三日月議員から、@教科書の充実、A特区での成果の把握と反映、B幼稚園・保育園での読書教育の充実、の3つの提案を行い、質問を締めくくった。学校図書館の充実に向け、これからも頑張る!
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