●大臣から「『整備計画』見直しの可能性」
まず、「『淀川水系河川整備計画』に対する4府県知事の歴史的合意についての感想」を問う。「現在、関係知事から意見を伺っているところ。各府県知事と河川管理者である私は、地元住民を災害から守るという意味では同じ立場。共同記者会見で出された声明には敬意を表し、その姿勢は高く評価する。」との大臣見解を伺う。
滋賀県大津市に所在する大戸川ダム建設凍結など、国の進める事業方針に対し、流域委員会に続き、関係府県知事から異論が唱えられる、異例の、今回の共同合意。「今後、整備計画を策定するに当たり、基本的にどのような考えで望むのか?」との質問には、「共同記者会見の話とは別に、各府県の知事から正式な意見を聞いて、最終的に策定する。」との答弁。共同記者会見は、まさに知事からの意思表明であるはずなのだが…。
大臣答弁を受け、 「ダムの整備・建設の見直しという意見が出された場合、既に示されている国の方針を改め、出された意見を踏まえ、計画案の修正や見直しはあるのか?」との問いには、大臣から、「知事や沿川市長から意見を伺う必要がある。必要に応じて、計画の修正は十分あり得る。修正を検討した上で整備計画全体を見直すことは当然。」との答弁を引き出す。国の「整備計画(ダム建設)を見直す」との答弁は、ある意味、画期的である。
●公共事業凍結のためのルール作りが必要
これまで国が行なってきた、洪水を「計画高水」以下に封じ込めるための河川整備(ダム建設、堤防強化等)に対し、専門家や流域市民から成る流域委員会からも疑問が提起されている。三日月議員から、その点についての国の見解を質すも、河川局長からは、「淀川水系では、200年に一度の洪水を想定して河川改修の計画を決めている。淀川の場合は中上流の安全度が低い。安全度を高めるために20〜30年の河川整備計画を立てている。」と、まずはダムありき?の、噛み合わない答弁。流域委員会と地方整備局との間での「前提の違い」が浮き彫りに…。
三日月議員から、「最終的に計画を策定する当たり、協議の場を設定すべき」と提案。同時に、進行中の公共事業の中止・凍結の場合のルール作りの必要性を強く訴え、(個人的見解ながら)金子大臣の共感・同意を得た。
●ムダづかいの実態は…?
最後に、会計検査院による「平成19年度決算検査報告の概要」内の「道路整備特別会計における支出の状況」について質問。会計実地検査等の結果、平成15年度から19年度で、総額728億9095万円もの不適正な支出が指摘されている。この不適正な支出は、対象年度も、対象事務所も「一部のみ」の検査結果で、すべてを検査した結果ではないことも発覚…。実態が分かりにくく、かつ不十分な会計検査のあり方に疑問を呈す。
すべての実地検査が行なわれていない背景金額であるということを前提に、国交省は意見を聞き対策を講じるべき、委員会(国会)として詳細な報告を求めるべき、との2つの提案を行い、質問を終えた。
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