●「国策」として進めてきた林業政策…
週末には、地元・守山市で「びわこ地球市民の森」の
植樹イベントに参加し、「森林づくり」に、多くの力と長い時間が必要であることを実感した。
この経験談を前置きとして、まず、全国の林業公社の経営状況について確認。林野庁長官は、「補助金を活用し、借入金に依存しないよう努めてきた公社や債務残高を減らす努力をしてきた公社もあるが、債務残高は全体で約一兆円あり、総じて厳しい経営となっている。」との認識を示す。
「国策として、公社による造林政策を進めてきた。国の責任は?」との問いに、農水副大臣からは、「国としても厳しい予算の中、しっかり取り組んできた。木材価格の低迷が経営悪化の一番の原因…。」との答弁。本質に踏み込まず、眼前の危機に目を向けず、責任逃れか…?
「今後の公社経営支援策は?」との問いには、「産業として再生させることが重要。これまで、森林
整備への高率の補助や低金利融資への借り換え措置等の地方財政措置を講じてきた。今年度からは、さらに農林公庫資金の償還期間を延長し、主伐期までは利払いのみとし、元本支払いを猶予する『利用間伐推進資金』を創設し、公社の経営を支援する。」長官の答弁。
様々な措置を講じてきたにも関わらず、債務が膨らむ一方である現実を直視すべきだと指摘し、抜本的な経営支援策の構築と、債務償還・損失補償等、厳しい財政の中、(早ければ今年度から)財源調達を余儀なくされる滋賀県はじめ地方自治体への緊急支援の必要性を強調した。
●「公益」を持つ森林・造林政策には、財政支援の拡充が欠かせない!
現在、滋賀県の公社と農林漁業金融公庫との間では、異例の「特定調停」が行われている。経過や方針を質した。高木公庫総裁からは、「政策金融機関として制度の枠組みの中で、出来ることは最大限やってきた。両公社に対し総額348億円の借り換え、元利金返済猶予(規模:27億円)という異例の特別措置も…。金融機関の対応を貫いたため、特定調停に至った。しかし、調停外協議も継続し、当事者間で解決すべく努力中…。」と経過説明。
農水副大臣からは、「もっと早く手を打つべきであった。両公社については、琵琶湖の水質維持という公的機能もある。国として、できる範囲で支援していく。」との前向きな答弁を引き出す。
総務省に対し、「県が公社の債務を引き継ぐ場合、地財法の特例として、起債による財源調達を可能にすべきでは?」と提案。榮畑官房審議官からは、「現状は破綻処理のための起債は法律で認められていない。赤字地方債になる。法改正するには、詰めるべき課題が多い。」との回答。(やっぱり逃げる…)
「林業公社が持つ公益的機能を評価・勘案して、造林公社の維持支援や自治体が公社に代わって債務償還する際の支援措置を、総務省、農水省、公庫、林野庁が一体となってつくるべきだ!」と強く訴えた。
最後は、「琵琶湖は近畿圏の大切な水瓶としての機能もある。下流域自治体の理解も賜り、問題を解決すべくしっかりと取り組んでいく。」との農水副大臣の答弁を得た。
森林・木材政策や滋賀県の懸案課題である造林公社問題に、引き続き鋭意取り組んでいくことを
誓っている。
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