ただいま議題となりました「国家公務員任命につき同意を求めるの件」について、意見を申し述べます。
今回の対象者は、「人事官」、「情報公開・個人情報保護審査会委員」、「中央社会保険医療協議会公益委員」、「社会保険審査会委員」の4機関計6名となっておりますが、
私どもはいずれも「同意」いたします。その上で、今回の対象者のみならず、組織のあり方等についても、意見を申し述べさせて頂き
ます。
まず、人事官について、今回初めて本委員会において、候補者から所信聴取及び質疑が行われたことは大変有意義でありました。
谷公士(まさひと)候補者からは、昨今の公務員の天下りや不祥事に対する国民の不信感について、反省の弁がありました。現在、内閣人事庁設置等公務員制度改革の動きもありますが、人事院としても、国民の信頼を回復するため、公正かつ中立な公務員制度の確立に向けた積極的な取り組みを行うよう期待するものであります。
中央社会保険医療協議会(中医協)については、委員20名のうち健康保険の保険者及び被保険者等を代表する支払い側委員が7名、医師等を代表する診療側委員が7名、国会同意が必要な公益
委員が6名という構成になっております。
言うまでもなく、医療現場を取り巻く状況は極めて厳しいものがあり、病院勤務医の疲弊や医療崩壊は広く深く進行しています。
私どもは、勤務医の労働条件の改善向上、女性医師の勤務継続と職場復帰支援、医師養成課程定員の増員、無過失補償制度の整備等の医療制度の抜本的な総合改革を訴えておりますが、診療側委員の構成についても、こうした観点からの見直しが必要だと考えます。
社会保険審査会委員については、今回初めて社会保険労務士資格を有する方が候補者に挙げられており、率直に評価したいと存じます。
国会同意が必要な対象機関を、官僚の天下り先にするような旧来の慣例を改め、現場をよく知る方々が政策立案や行政検証の一翼を担って頂ける人事を行うこと、こうした点にこそ憲法15条の
「公務員の選定・罷免権」を根拠とし、その趣旨を実質化させるものとして、国民から国政の負託を受けた衆参両院の議員が代表行使する国会同意の意義があるものであり、国民生活が第一の政治の実現につながるものでもあります。
今後も、政府がこうした認識と姿勢で国会同意人事案件に臨まれることを期待して、意見表明を終わります。
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