|
●自動車運転労働者の労働(運転)時間を法定せよ!
はじめに、国交省からのデータをもとに作成したグラフ
(左図)を示し、残念ながら、方針に反して増加するトラック・バス・タクシーの事故件数も死傷者も増加する状況に対
する見解を求め、「過労運転」の検討状況を確認した。
大臣からは、「『安全』は最大の使命。監査の強化、行政処分の厳格化等、逐次対策を強化してきているが、事故が減らない。(三日月議員からの)指摘を重く受け止めて、安全対策に積極的に取り組む。」との答弁。
三日月議員は、さらに、「『労働時間』に目を向けるべき。過労運転を防ぐルールをつくり、監視体制を強化し、違反事業者を市場から排除し、市場を適正な規模に戻すことも必要。そのために現行「告示」の『改善基準告示(自動車運転者の労働時間等改善のための基準)』を法制化し、違反者を『安全運転義務違反』として厳しく
処罰できるようにすべきだ!」と、かねてからの提案を行った。
大臣からは、「法制化は厚労省の所管。国交省としては、監査を通じて、労基法も改善基準告示も、
違反があれば厳正に処分する、との方針で引き続き臨んでまいりたい。」との回答。???労基法
違反が78.7%、改善基準告示違反が55.2%(H18年監査)という現状もあり、「法でも告示でも、今の基準をまず守って頂く、という立場で臨む。法制化には社会的な合意も得られていない…。」との
消極的な公式答弁を重ねる大臣に、「不十分だ。事業を許可する(国交省の)立場として、事故につながる過労運転を防止する観点から、運転労働者の労働(運転)時間規制の法制化を、厚労省とも合同で、早急に検討するべきだ。」と強く主張した。
●「下限割れ運賃」の是正を!
次に、大阪特有のタクシーの「下限割れ運賃」の問題について取り上げた。上限運賃が認可され、下回る10%の範囲内で自動認可されるタクシー運賃制度。これを
さらに下回る運賃は個別審査によって認可されているが、大阪だけで45社、3,271両、全体の17.7%存在(全国では12地域のみ)することを指摘。
低運賃の背景にある「長時間労働」「不当な価格競争」が、過労運転、速度超過、整備不良などによる事故増加につながり、利用者や周辺の安全を損なっていることへの懸念、実態に合わない個別審査項目への疑問を
示し、「公共交通機関であるタクシーの安全で良質なサービスを確保すべく、公正な競争条件を整備するため、国交省が設定する自動認可運賃の幅の中に下限割れ運賃を収斂させるべきだ!」と指摘した。
大臣からは「下限割れ運賃については、財務諸表を提出させるなど、十分に審査できるよう基準を見直す。タクシー運賃改定に際し、労働者への賃金配分への担保措置も講じているが、下限割れも同様の審査をする。」「早急に検討を始めたい。」との答弁を得た。
|