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  国会飛脚便 三日月大造国会質疑概要
REPORT


 

VOL.65 

規制緩和一辺倒、競争至上主義の「歪み」、直視し是正せよ!
    国土交通委員会(一般質疑) 平成19年6月8日
 
質疑の様子をムービーでもご覧いただけます → 


 

6月8日(金)に開催された国土交通委員会では「一般質疑(自由テーマ)」が行われ、三日月議員は、「トラック・バス・タクシーなど自動車交通の安全問題」について、関係者からの事前ヒアリング、実態データの整理の成果を国交省に示しながら、40分間の質問(問題提起)を行った。

   
 

●違法行為と違反事業者が続々…都市間ツアーバス

まず、多くの違法行為が指摘される「都市間ツアーバス」に関する質問。本年2月には「あずみ野観光バス事故」が発生。一人が死亡、多くの重軽傷者という惨事となった。私たちの求めで急遽行われた全国街頭調査や重点監査の結果を示し、「ツアーバス事業者の8割以上で法令違反があり、特に過労防止義務違反が多い。」と指摘し、岩崎自交局長に見解を質す。局長からは「ツアーバスの法令違反については遺憾であり、何らかの対策を考えていく。」との答弁。
さらに「貸切バス事業者の区域外営業」「乗合バス事業との競争」について質問。「事業計画や運行計画を届け出ることによって認められるのが乗合バス事業。貸切バス事業者による都市間ツアーバスには、事業計画・運行計画の提出義務がない。乗合バス事業者と比較して公正さを欠くのでは?」との問いに、冬柴大臣からは「新宿西口での視察において、貸切バスの驚くべき実態を見た。ご指摘の問題を含めて、きめ細かく調べる必要があるということで、『貸切バスのあり方検討会』を発足させた。検討会での結論を早急に得て、対応策を取る。」と明言。局長からは「貸切バス事業者の営業区域外を発着地として運行することは禁止している。さらに徹底させる。」との回答。「そもそも乗合と貸切の区分けのあり方についても議論が必要」と念を押した。
また、都市間ツアーバスと旅行業者との関係についても確認。「旅行業者からの圧力で、無理な運行をやむなくされる貸切バス会社も多い。旅行業法の観点からも、監査体制を強化すべきだ!」と訴えた。


●「過労運転」は規制緩和による弊害だ!

次に、規制緩和後の「事業者数、輸送人員、事故件数」等の推移をモード毎にまとめた資料を示し、国交省としての見解を質す。局長からは「規制緩和の成果もあったが、事故が増え、高止まりしていることは問題。社会的規制の強化は必要。」との認識を引き出す。
その上で、三日月議員からは「規制緩和によるしわ寄せが、現場で働く者に過重な労働を強いており、その結果が事故につながっている。事業用自動車の労働実態を点検し『法規制化』『監視強化』を行うべきだ!」との主張に対し、「そこが一番重要な点。規制緩和の流れは後戻りできないが、行き過ぎについては、調整措置は必要だ。調整措置の発動を弾力的に運用出来るようにする。」と大臣からも前向きな答弁。松野厚労政務官には、運転労働者に課される労基法や改善基準告示の遵守状況について、前者で8割、後者で半分が違反という実態の是正を強く求めた。「過労運転による事故が増えていることを憂慮している。監査等を通じた指導を今後も重点的に行う。現象面だけでなく、掘り下げた分析も行う。」(国交省)、「産業構造全体の中で考えなければならないところにきている。人命にかかわることであり、安全確保を第一に考え対応していく。」(厚労省)との回答。
大臣には重ねて「厚労省と国交省とがもっと連携すべきだ。せっかく設置・開催される『検討会』でもっと詳しく分析し、対策につなげるべきでは?」と詰め寄り、「旅客運送にあって事故は許されない。『安全・安心』が最大の問題であり、それが損なわれている実態はしっかり直視し、対策を検討する。」との答弁を得た。

最後に、「改善基準告示のような強制も罰則もない規制ではなく、運転労働者に対する労働時間法制として整備すべきだ!」と強く指摘し、質問を終えた。 



 

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