●「広域化」を進める意義は?
冒頭、日々刻々尽力頂く消防・救急関係者に感謝の心を
述べ、殉職された職員・団員への哀悼の誠を捧げる。その上でまず、「わが国の消防・救急の現状と課題」について
菅大臣の見解を問う。「火災や地震など、規模が複雑化してきている。消防としては、いつ、いかなる時でも、対応
できる体制をつくらなければならない。地域の消防団の
関係者の大変な努力に感謝している」との見解を示す。
次に、消防組織法改正による消防の広域化の「意義と目的、進捗状況」を確認。次長からは「広域化の意義はスケールメリットの追求。管轄10万人未満の消防本部が全体の
6割という現状を、管轄人口30万人を目安に広域化を進める。平成19年度中に都道府県で推進計画を作成する」との回答。三日月議員からは、広域化によるスケールデメリットの不安を代弁し、「@新たにつくる広域化計画と、今ある財政計画や整備計画との兼ね合い、Aゴミや屎尿処理等、消防以外の
広域行政との関係」について確認した。「@広域化の推進は、地域の実情を踏まえ十分に議論する。
市町村に措置されている交付税を、まとめて効率的に活用できる利点もある。A消防だけが突出する
ことは避けるべき。広域行政との兼ね合いを十分に考えて取り組めるよう指導・助言を行う」との答弁。
三日月議員は「広域化を進めようとする各自治体や事務組合、行政組合等の実態把握のための調査を行うべき!」、管轄人口30万についても「地域の繋がりや地形、道路事情等を勘案すべき!」と提案。
●消防に関する広報活動をしっかりと!
「救急車の出動回数は、10年前の328万件が平成17年には528万件に増加。救急隊の数はこれに比例して
増えていない。救急隊員の現場到着時間は6.0分から6.5分に伸びている」等の現状を指摘し、「全国の救急のあり方、救急需要への対応の仕方について、
必要があれば関係法律や規約・条例等の改正を
行うべきでは?」と質す。次長からは「検討会等で検討中だ。民間事業者や病院が所有する救急車を有効活用する方法もある。トリアージ(救急車が必要かどうかの
選別)の手法についても検討している」との答弁。国民モラルの問題もあるが、大都市だけでなく、全国的な
基準を定める必要性を指摘。
続いて、法改正による住宅用火災警報器の設置義務に関して、法施行後の設置実績とその確認方法について質問。「新築住宅に関しては、警報器設置は周知徹底している。既存住宅への普及については、現状を把握していない。設置しているか否かの確認方法は、20年度を目途に検討する」との回答。また「救急車の活用」や「住宅用火災警報器の設置」に関して、「もっと『政府広報』をすべき!」と主張した。次長からは「警報器設置については、シンポジウムの開催、ビデオの作成、消防庁や総務省広報誌の活用等、救急需要の増大対策については、各消防局でのパスター作成や広報誌での啓発活動を展開している」との答弁。(不十分だ…!)最後に大臣に対し、「広域化の問題」を含めて総括的な
見解を求め、「すべて国民の生命に直接かかわることであり、効率的に、緊急対応できる体制づくりに
しっかり取り組む」、さらに広報については、「私が責任をもって、政府の広報の中で進めていく」という菅大臣からの明確な答弁を得た。
今後も消防救急の充実に向けて、しっかり取り組んでいくことを誓い、質問を終えた。
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