●交通弱者への十分な配慮を!
三日月議員は「今回提出された法案は、政府・自治体の努力義務や支援内容を定め、公共交通を活性化し、利用促進を誘導する政策を実現するためのものであり、その方向性を評価し、賛成する」とした上で、まず冬柴大臣に地域公共交通の現状認識を問う。「公共交通機関が抱える問題は、地域によって様々あり、一律には判断、対応ができない。共通して言えることは、交通
弱者への手当てが必要ということ。地域の実情に精通している市町村が主体となり、利害関係者が集まって公共交通について考えていくべき。国としても支援していく」と明言。次に「@法制定後定められる「基本方針」の目標は?Aこれまでの取り組みの総括は?BLRT導入に対する配慮は?」との問いには、「@法成立後、直ちに検討する。高齢者や障害者の自立した生活維持のためにも、公共交通サービスの確保は必要との観点の内容になる予定。A生活交通確保のために、国と地方とが、また官と民とが、役割
分担しながら、出来る限りの支援措置を講じてきたが、厳しい地域や事業者も多く、新たな仕組みを
作る。B『地域公共交通総合連携計画』の中で、LRTの導入が位置付けられていれば、予算を重点的に配分する」との宿利局長からの答弁。
●安全性の評価は?
地域公共交通の「安全性」について、「多発する事故の原因には、規制緩和による競争激化や労働
強化等が背景にある」と指摘し、その評価を問う。「公共交通機関の安全性の確保は一丁目一番地。経済的規制緩和は行ったが、社会的規制の整備と監視はきちっと対応している。これまでの監査等で不十分な点があったことは認める。今後は、導入した『運輸安全マネジメント評価』を使いながら、適切な監査を行う」との回答。また、「法案の中に『安全』という言葉がない。新たにつくるのであれば、精神として盛り込むべきだ!」と主張。さらに「移動する権利」について、法律に明文化することの必要性を
大臣に問う。「すべての国民に移動する権利を保障するとなると、行政が肥大し、予算が大きくなる。
地域の実情を熟知する市町村が中心になって定め、施策を実施し、国がサポートしていくのが適当だ。」との答え。しかし、地域による財政力の格差は明確!交通や移動に関する格差も看過できない!
●地域が使いやすい、実効性のある法律に!
法律の実効性」という観点から「真に地域公共交通活性化に役立つ法律とするため、どのような施策を講じるのか?」を質す。「地域住民のニーズや意見が反映されることが前提。そのために協議会制度を設けている。関係者の合意を得るための仕組みも整備した。」との答弁。三日月議員は、作成したグラフを示しながら「道路と比較すると、鉄道など他の交通機関の事業予算が少なすぎるのでは?」と指摘。大臣からは「道路予算が突出しているのは事実。社会インフラ整備という名目で投入されてきた。ただ直接・間接的に道路以外にも使われている。撤退する民鉄やバスに税金を投入するという方法もあるが、地域住民が最適と考える方法について、支援していくというのが本法の趣旨である」との
説明。「『まちづくり交付金』を活用した地域公共交通活性化策は?」との問いに、「地域住民の足を確保するために、まちづくりとの連携は極めて重要な観点である」との回答を得た。予算面で、まず総額を確保することが重要だ。 情報面から、「国が果たすべき役割」と定められる・情報
収集・整理・分析及び提供・研究開発の推進・人材育成等についても実効ある対策を求め、質問を終えた。
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