●徹底調査を!範囲は?方法は?部内調査でいいのか?
公取から「国土交通省(旧建設省)の最高幹部である元技官と元国土地理院長が、官製談合に関わっていた」と指摘された
ことについて、冬柴大臣にその認識を問う。大臣からは「発注業務の大部分を担当している官庁であるだけに、談合はあってはならないこと。公取からの指摘は慚愧に堪えない。省をあげて、背景や動機にまで踏み込んだ調査を行い、再発防止に
努める」との答弁。三日月議員からは、内部通報制度充実の必要性を指摘するとともに、未だ公取からの資料取り寄せの
協力が行われていない事実を質し、早急な対応を求める。
また、国交省内の入札談合防止対策検討委員会の調査のあり方について、「退職後とはいえ、
元技官、元国土地理院長が談合にかかわっていたと指摘されている。調査範囲は600人と
聞いているが、歴代の技官、国土地理院長等についても調査する必要があるのでは?」との
提案に対し、「むやみやたらに調べるわけにはいかない。現在63,000人の職員がいるので、退職者を含めたら相当な数に
なる」との回答。数が多いから調べられない…というのは理由にならない。認識の違いが明らかに…。
さらに、部外の第三者として加えられている大学教授や弁護士等からなるアドバイザリー委員による
調査について質すも、「調査にあたっての企画立案や結果についての意見をいただくことになっている。各委員の調査への参画状況は、最終報告の中できっちり報告する」との答弁。調査の信頼性、中立性に疑問が残る。
●「天下り」が問題の温床だ!
今回、公取から法律に基づく改善措置要求に加えて、異例の「要請」が出されている。発出理由を公取委員長に確認。「民間に再就職した元職員による談合助長や誘発行為が認められたため、官製談合
防止法の対象ではないが、そのままにしておくのも問題であるから…」との理由。であるならば「公取
から指摘のあった5公益法人も調査対象に加えるべき!」との主張し対し、「名前の挙がった人については調査するが、5公益法人については調査対象とはしない」との大臣見解が示された。今回指摘された公益法人には、多くの国家公務員が再就職している事実を放置する認識は問題だ。
「天下りと談合問題との関係」についても質問。公取からの指摘を受け、国交省として「当面の入札
談合防止対策」を作成したが、そこには「入札契約に関する同一の職に同一の職員が連続して長期間従事することが企業との癒着を生む要因になり得る」と記されているのみ。「公務員の再就職の見直し」の部分には、このような認識が一切示されていない。三日月議員は「公務員の再就職と今回の談合
問題とは、関わりはなかったのか?」と質す。大臣からは「主観的にはないと確信している。しかし、
受け取る側では『下心がある』との指摘は、重く受け止めなければならない。職員には、官製談合を
指摘された23社には再就職を自粛するよう指導し、指定職以上の者は、入札の相手方企業には天下らないよう自粛措置を講じている」との答弁。やはり再就職にあたっては、単なる自粛ではなく、実態の
解明と法による規制が必要である。
その他、多くの問題点を指摘し、また提言を行ったが、「今、調査中である」との答弁の連発であり、
「この問題の調査を本当に国交省に任せておいて大丈夫なのか?」との疑念を抱かざるを得な
い。
最後に、公取から名前を指摘された2名をはじめ、関係者の参考人招致による事実解明と再発防止のため、さらなる審議の必要性を指摘し、質問を終えた。
|