●随意契約の割合が高いのでは?
最初に、「政府広報予算」の額を確認。
「政府広報室の予算額が、内閣府から事前に提出された資料と質問主意書に対する答弁書に記された数字が違う」と指摘し、整合性を問う。
高井広報室長からは「狭い意味での広報費と広い意味での広報費がある。
事前提出したものは啓発広報費のみで、その他に職員の旅費や手当て、業務庁費等が含まれる」との答弁。
三日月議員は、まず政府広報に係る予算すべてをその定義とともに出し直すよう指示。
さらに、「郵政民営化」に関する政府広報費について、いくら、どのような使われ方をしたのかを質すも、明確な答弁がなされず、改めて資料の提出を要求した。
次に、広報費の契約のあり方について質問。「一般競争入札と随意契約の割合は?社団法人、財団法人についてはどうか?」との問いに、広報室長から「随意契約の割合は平成16年度が58.5%、17年度は47.6%」と報告され、併せて公益法人の随契割合についても、それぞれ法人ごとの数字(中には随契割合が100%の法人も)が示され、多くの公益法人が、「随意契約」で政府広報を受注している事実が明らかとなった。
●税金を使っての世論誘導では?
そもそも政府広報とは、「内閣府大臣官房政府広報室が実施する政府の重要な施策に関する広報をいう」との政府見解があるが、「政府の重要な施策」の中に、これから行うもの(法案審議前)は含まれるのか?を問う。
広報室長からは「@法律が施行される前に周知するもの、A例年決まった重要行事、B国民の関心が高まっているもの、C各省庁が重要事項として広報したいものがあり、過去の例から見れば、これから行うものも含まれる」との回答。
三日月議員は、「行うべきこととしてあるものが施策であり、法案審議前に行うのは明らかに世論誘導である!」と指摘。
官房長官からは「施政方針演説や所信表明において、政府の意思は明確にしている。
事前に国民の考え方を喚起するという意味で、法案審議前でも、政府としての考えを示すことは必要」との答弁。
しかし、郵政民営化の時に行われた政府広報は、「郵政民営化は、日本活性化です」「郵政民営化に、あなたのYESを」等の標語が並び、「法案提出前後の広報においては、国民に立法府を含めた国全体としての方針が決まったかのごとき誤解を生じないよう厳に留意している」との政府広報の原則に照らしても、世論誘導との批判は免れない。
「政府広報の効果の検証」についても質す。「『政府広報評価委員会』での事後評価内容を示せ!」と迫るも、内容は開示されず、何のための「政府広報評価委員会」なのか?大きな疑問である。
官房長官は「評価委員会は、説明責任を果たすという意味から、外部の人からの評価を受けることとしている。
指摘されたように内容が不十分であるというのであれば、直していく」との回答を得た。
「年間100億円もの予算をかけて行う政府広報。予算額が定かでなく、世論誘導を行い、その効果の事後評価も明示されない現状は大きな問題だ!」と主張し、すべての資料の提出を求め、引き続き検証していくこととし、質問を終えた。
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