冒頭、三日月議員は、JR西日本出身の議員として、今回の道路公団民営化法案について国鉄改革との比較のうえで、また、(政府案によると)45年後に無料になった高速道路を利用する可能性が高い議員として、一日も早い債務の返済のスキームづくりが最も重要であるという立場から質疑を行った。
三日月議員は委員会の休憩後トップバッターで質疑に立ったが、この前段で唐突に40兆円の債務返済計画がペーパーで配布された。このことについて、三日月議員は「この大改革は、40兆円に膨らんだ債務をどう償還できるのかが最大の課題であり、債務償還のイメージを示したうえで議論がなされるべきであったのに、これだけ債務償還のイメージが遅くなったことは意図的でいい加減ではないか。」と糾弾。
民営化推進委員会は所掌外!?
その上で、国土交通大臣に対し、「現在実質的に2名となっている民営化推進委員会とは結局何であったのか、現在の状況では、法的にも民営化推進委員会の新会社を監視するという役割さえ担えない委員会をこれからどのようにしていこうとしているのか?」という問いに対して、国土交通大臣は「所掌は私ではない。民営化法案の責任者であり、成り行きを監視する方をどうするかということは差し控える。」という無責任な答弁に終始した。
道路公団民営化の一番の問題点は政治の過度な関与を断ち切ること!
加えて三日月議員は、「今回の政府の法案による新会社は『資産も債務も持たない。料金収入に利潤を含まない。新路線を造るか造らないかも最終的に自分たちで決められない。(政治の不当かつ不透明な介入が存続)』であり、そもそもそのような改革を民営化と言えるのか。民営化をするのであれば、甘い需要予測を改めること、プール制も改めること、ファミリー企業や天下りなど解決すべき問題も多いが、何より国鉄改革の破綻の大きな原因の一つであった政治の過度な関与を断ち切ることだ。」と主張。
最後に、結局政府案は民営化そのものに無理があって矛盾がある。鉄道以上の公共性を有する道路に完全民営化はなじまず、今後も公が責任を持って管理・建設をすべきであるという主張を行い、質疑を終えた。
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