●政府は偽装事件をどこまで把握しているのか?
最初に、「建築士の定期講習」について冬柴大臣に確認。「定期講習終了の有無はじめ、建築士の資質・能力について、消費者に分かる仕組みにしなければならない。検査機関も関与できるようにすべきでは?」との指摘に対し、「今回の法改正の目的を踏まえ、消費者にも確認してもらえるよう仕組みを作る」との回答。
続いて、耐震強度偽装問題の全体像の説明を求める。「姉歯関連については解明されつつあるが、サムシング、浅沼、一建設、アーネストワン等、調査中の物件もまだ多くある。全容解明を早急にすべし!」と強く主張。住宅局長からは「現在、特定行政庁において鋭意取り組んでいる最中である」との前国会と同様の答弁がなされ、全容解明が遅々として進んでいない状況が明らかとなる。
全容解明に向けた大臣の決意を改めて質した。
●被害住民救済の現状は如何に?
次に、被害住民救済の現状と今後の取り組みについて「@ヒューザーの破産管財配当の補助金調整についての考え方、A仮住居の家賃補助の延長、B住宅ローン対策」の3点について質問。
大臣からは「@被害者に辛い思いをさせないよう検討する、A国の制度としては『2年間』であるが、延長を前向きに検討する、B阪神淡路大震災を経験した立場から、二重ローンの大変さは理解する。所得税法の雑損控除制度の周知に努める」との誠意ある答弁がなされた。
三日月議員は再度「納税者の理解を得ながら、財政面、税制面等、様々な枠組みを使って継続して支援すべし」と訴えた。
●法律改正の趣旨はどこに?
今回の法改正の趣旨についての質問。「日本の建築士の使命・役割」について大臣の見解を問う。
「建築士は、自然災害の多い日本の特殊事情を踏まえ、関係法律に謳われた職責を全うし、高い倫理観を持っていなければならない」との答弁。
「建築物の質の向上も大事だが、最低限の任務として『安全』を守るということが重要。耐震偽装問題が発端となった改正であるならば、法文上でも『安全』ということにもっとこだわるべきだ!」と強く主張。
●大臣認定プログラム
最後に、「大臣認定プログラム」のあり方について質問。
「構造計算プログラムがブラックボックス化しているのではないか?また、先の国会質疑で『大臣認定プログラム』を検査機関に備えるべきだと提案したが、その後の対応はどうなっているのか?」との問いに、「来年の改正建築基準法の施行にあわせ、構造計算プログラムの内容を見直し、再認定を行うことになっている」との答弁。
三日月議員の指摘に対し、構造計算プログラムの見直し作業が始まっていることが明らかになった。
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