●概念や理念を整理せよ!
まず、(1)「中心市街地の活性化とは?」(2)「理想的なまちづくりとは?」という2点について基本認識を問う。
大臣からは「参考人の意見に同感である。中心市街地に賑わいをもたせること、単に経済だけでなく生活空間として機能していくまちづくりが大事。今回の法改正の目的でもある」との答弁。
次に、既に法整備され実行されている「都市再生」「地域再生」と、今回の改正される「都市計画」「中心市街地活性化」との関係について質した。
柴田局長からは「それぞれ切り口が違う。異なる政策課題に対応したもの」、大臣からは「スタートした経緯がそれぞれ違う。
これからは総理大臣を本部長とする中心市街地活性化本部を設置し、ムダのない省庁横断的な取り組みができる体制をつくる」と、各々が思いつきのように実施され、整合性に欠けていた、これまでの政策を認める回答。別々の支援制度の枠組みだけがつくられ、現場で混乱している状況を鋭く指摘し、整理を求めた。
●予算の総額が把握できないとは?
続いて、自身で作成した配布資料を使い、(1)商業・都市計画とのバランス、(2)農林漁業との調和、(3)公共公益施設の立地の3点について質した。特に用地の転用・開発により農地(耕地)が減少している現状、学校などの公共公益施設が中心市街地から郊外に移転している状況等を指摘し、これまでのまちづくり政策を検証した。
大臣からは「(1)と(2)については都市計画のあり方として問題があった。農業との調和も大事。地元の人が自ら判断できる仕組みを作っていく必要がある」、(3)に関しては「税制や予算を含め、都市計画を総合的に活用することによって、都市機能の中心部への再移動を促したい」との答弁。
次に、これまでの中心市街地活性化への支援策、特に補助金・交付金・融資など国の支出についての実態を問う。「一体どのくらいのお金をどこで、どのように使ってきたのか?まずは徹底した検証が必要」と主張。局長からは「17年度関係8省庁予算は1兆276億円であるが、何にいくら支出したかは把握できない…」との無責任な答え。
さらに、「中心市街地活性化に関する総務省の行政評価や会計検査院からの指摘に対し、どう対処し、どのように改善したのか?」との問いに、「ムダづかいはしていない。市町村で使われ、項目も多く、分野が特定できず、1兆円という大きな金額なので把握は大変な作業となり、無理…」との開き直りとも言える回答。経産省審議官からは「8省庁にまたがった予算であり、振り分けは出来ない。今後は中心市街地活性化本部を設置し、施策の総合調整を行い、それぞれの施策をチェックしていく」という逃げの答弁に終始。
三日月議員からは重ねて「これまでの予算が効果的に使用されたかをまず検証すべき。すべてが無理ならサンプル調査くらいは行うべきでは?」と提案。大臣からは「中心市街地活性化だけが目的ではなく、他にもさまざまな目的がある。新しい制度の中でしっかりと検証していく」、また「今後は基準をつくって明らかにしていく」との前向きな答弁を引き出し、質問を終えた。
予算の使われ方がしっかりとチェックできる、分かりやすいまちづくり政策が必要だと実感。
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