●「航空・鉄道事故調査委員会」の現状について
最初に、「『事故のない国づくりをめざすこと』が使命だと自覚している。しかし、人間が関わる限りエラーは付きものであり、エラーを事故に結びつけない手立てとして、アクシデント、インシデント、トラブル等を含めて教訓化していくことが必要」と指摘。
三日月議員は、「安全に関する議論に与野党は関係ない」との認識を示すとともに、より安全な運輸機関をつくるために、より独立し、機能・体制面で充実した事故調査委員会をつくることを盛り込んで作成した野党(民主党)修正案を資料として配付し、「航空・鉄道事故調査委員会(事故調)」の現状に関して、@機能と体制、A調査範囲、B独立性、C被害者支援の4点について参考人に質問した。
芳賀参考人は、「事故調の体制は不十分である。人材不足は否めない。調査にあたっては人間心理や機械工学などあらゆる知識が必要」との意見。佐藤参考人からは、「米国にはヒューマンエラーファクターや家族支援の専門家もいる。日本の事故調は不十分である。船、鉄道、パイプライン等横断的な組織が必要」との意見
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●インシデントを調査できる体制?
また、「事故調としてインシデントを調査できる体制にあるのか?」との三日月議員の質問に対し、芳賀参考人からは「現行体制では無理。専門的な知識を持った者が、事故調の支援をするのが良い」、佐藤参考人からは「国がすべてやるには無理がある。事業者単位、監督者単位等、それぞれの段階で調査を行うべき」との意見が述べられた。
次に、事故調の独立性についての議論。三日月議員からは、「食品安全委員会の設置経過等も踏まえ、事故調の独立性を保つためにも、所管を内閣府に移し、省庁横断的に安全を考えるべきでは」との見解を述べ、参考人の意見を求めた。
芳賀参考人からは、「理想的には国交省からは独立させた方がよいが…」との意見。 また、三日月議員からの「刑事責任・犯罪捜査と事故調査との関係」について、いずれの参考人からも「相容れないものであり、両方がしっかりと対応すべき」「事故調査が刑事捜査に使われないことも重要」と述べられた。
さらに「情報公開のあり方」についての質疑。「事故調の情報公開や被害者支援については?」との問いに、芳賀参考人からは「十分ではない。捜査と調査の分離が明確でない」、佐藤参考人は「被害者は情報を一番欲している。米国のNTSBでは分かりやすい報告書をつくるための努力もなされている」との答弁。
最後に、「事故調による事故報告書はあまりにも難解である。もっと分かり易くすべき」と主張し、質疑を締めくくった。「民主党事故調査委員会WT」の事務局長として、今日まで事故調改革作業を行ってきたことをもとに、引き続き事故調査委員会の機能・体制強化のための法整備をめざし活動していく決意を新たにした
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