災害対策特別委員会の行なわれた衆議院第16委員室の傍聴席は、午前9時10分の開会と同時に満席となり、異様な雰囲気の中で委員会がスタートした。
今回の「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案」の最大の争点は、被災住宅に対する公費投入の是非、すなわち被災した住宅本体への建築費をその対象とするか否かであり、ここが政府案と民主党案とが真っ向から対立していた部分である。
冒頭、三日月議員は、「自然災害が頻繁に発生する我が国あって、被災者への支援体制を確立することは、喫緊の課題である」と主張し、自然災害に備えるための対策、特に被災者をどのように支援していくのかという観点から質問に入っていった。
まず、今回新設される「居住安定支援制度」は、どのような位置付けと捉えているのかを政府と民主党に対して質問した後、そもそも住宅は「私有財産」なのか、住宅密集地は「公共性」をもっているのではないかという鋭い切り口から、住宅本体への公費支給について言及している。農地の災害復旧には公費が投入されているが、何故住宅には認められないのか、また、「解体、瓦礫撤去、整地」に要する経費を認めるのであれば、あと半歩前進させて住宅本体への支援も認めるべきであると、あくまでも「住宅本体への支援」にこだわり、井上喜一国務大臣に対して終始厳しく追及した。
三日月議員に与えられた45分間の質問時間はあっという間に過ぎたが、与党議員による心ないヤジにひるむこともなく、冷静に質問を展開した結果、政府案の問題点を炙り出すことができた。
午後3時40分過ぎに、多くの傍聴者が見守る中、政府提出の「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案」は原案通り可決されたが、附帯決議がされているので、三日月議員はこれからもこの問題については、政府の行動をしっかりと監視し、真剣に取り組んでいく決意を固めていた。
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