この法案の要旨は、都市鉄道等の利用者の利便を増進するため、既存の都市鉄道インフラを有効活用し、「速達性向上事業」および「駅施設利用円滑化事業」を通じ、路線や駅の整備・改善を、リスクを分散し、費用(使用料)を負担し合うことで効率的に行うためのものである。
まず総論として、都市鉄道インフラに関する「現状認識」と今回の制度・枠組みが果たすべき役割について問い、千葉県の東葉高速鉄道の事例もあげながら、これまでの都市鉄道建設・整備方式に対する評価を問い、従来の整備方式と今回の制度との相違点、役割分担について、北側国土交通大臣に質した。
さらに、短絡線整備による速達性向上、駅周辺整備による交通結節機能の高度化についての中長期的な計画、確保すべき予算規模について質した。
各論では、「受益」の算定方法、上下分離方式におけるメンテナンスコストや災害時の復旧費用の分担について、また、今回の法的枠組みと「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構」との関わり等について国交省の考え方を質した。
最後に、輸送分担率を比較した時に、「鉄道」に関する予算が「道路」や「空港」「港湾」と比べてあまりにも少なすぎるのではないか、環境のためにも、道路偏重の予算を改め、鉄道整備のための予算をしっかり確保すべきとの持論を展開し、大臣に迫った。北側大臣からは、「鉄道の持つ意味は極めて重要であり、今後は予算配分も重点的に進めていく必要がある」との答弁がなされた。
三日月議員は、環境にやさしい「21世紀型の交通予算」の確保に向けて、これからも総合交通政策をライフワークとして、努力していくことを改めて誓った。
(尚、この「都市鉄道等利便増進法案」については、三日月議員が中心となって作成した「附帯決議」を付けて賛成、委員会において可決した。)
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