必要な教育予算の確保を!
平成13年5月の小泉総理就任直後の所信表明演説で心打たれ、期待もした「米百俵の精神で・・・」との言葉。しかしその後の教育予算にその精神はどのように反映・重点化されてきたのかと質問。義務教育予算が総額で減少している現状を引き出したうえで「予算・金額が全てではないが、人件費・教材費・施設費等のあらゆる角度で総合的に現状を捉え、重点化し、予算に反映させていくべきだ」と強く訴えた。
「教育の質」の充実のためには「教員の量」も重要!精緻なデータ分析による将来設計を!
「教育の質」の充実のためには、「教員の質・能力」は当然として「教員の量」も必要である。将来に向け優秀な「教員の量」を確保すること、そしてそのための財源を国・地方関係なく中長期的に確保・措置していく視点がさらに必要だと指摘し、現状分析や将来予測の不備・甘さを鋭く批判した。また、三位一体改革の議論過程において、義務教育国庫負担金制度の廃止を巡り議論が紛糾していることに触れ、「財政論」「金額あわせ」の議論に矮小化されてきているとの危惧を示した。
次に、東京大学大学院の苅谷剛彦教授の論文を引用(「教員の年齢構成は都道府県により異なり、退職金等を含めた人件費負担についても時期・金額とも違う。人件費負担応力である財政力も都道府県により異なり、こうした格差が義務教育の都道府県格差となることを懸念している」)。さらに、平成16年度をベースに推移をみれば、義務教育分の人件費の都道府県の平成30年度までの累積不足額は4兆4800億と試算されていると指摘。こうした地域の財政力格差が「教員の量」「教員の質」=「教育の質」に直接影響する時代がくることをしっかり予測したなかでの将来設計が必要だと強く訴えた。今後の中教審での議論過程で、こうした視点と精緻な将来予測をしっかり認識・反映させることを要請し、約30分の質疑を終えた。
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