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  国会飛脚便 三日月大造国会質疑概要
REPORT


 

VOL.101 

タクシー法案の修正議決へ、審議重ねる!
    平成21年6月5日


 

 6月5日(金)に開催された国土交通委員会では、懸案の「タクシー関連法案」についての、4回目の質疑が行われた。三日月議員は、今日も、答弁者として、金子国交大臣らの隣に座り、民主党はじめ、野党共同で提出した議員立法の提出者として、「規制緩和の弊害(政策の失敗)」という、法改正でもたらされた問題は、法改正で是正すべき!との見地から、タクシー法制の改善の必要性を力説した。

   
 

●法改正なき運賃ガイドラインは、意味なし!

 まず、自民党の福井照議員からの質問に答える。福井議員は冒頭、「衆法(野党案)についても傾聴すべき点は多々ある。」と前置きした上で、「同一地域、同一運賃」についての考え方を問われる。

  三日月議員から、「私たちは、同一地域は同一運賃でなければならないということは志向していない。『利用者にとって多様な運賃の存在もサービスのひとつ』という交通政策審議会からの指摘ももっとも。『能率的な経営の下における適正な原価』は、各地域・事業者ごとに異なり、当然、運賃も異なる。一方、判例にもあるように人件費が70%を超えるタクシーでは、適正な原価は地域毎に同じものに収斂されていく。今回の法案では、現行の上限価格制を改め、(人件費等を償う)適正原価に適正利潤を加えたものという基準で運賃を決め直す。これは、下限を設定することを意味する。厳格な運用で、下限割れ運賃も解消し、運転者の労働条件は改善され、結果的に利用者の安全も確保される。」と答弁。

 また、個別事業者毎の当該基準への適合性審査については、「運賃の適否は、基準に沿って事業者毎に個別に審査・判断せざるを得ない。ただし、その基準を見直し、下限を明確に設定することにより、結果的に、事実上、判例にもある、各地域毎に安全を確保するために必要な運賃を実現していくことを目指している。」とキッパリ!

●最低賃金法違反は看過できない!

 民主党の森本議員から「運賃問題」についての補足説明を求められる。「かつては、同じ地域であれば同じ運賃であった。1997年にゾーン運賃制が導入され、2002年の道路運送法改正により、運賃・料金の上限認可制が導入された。このことが、一部の地域で過度な運賃競争をもたらす要因となったと考える。下限割れ運賃については、個別に審査が行われているが、名義貸し等の違法営業を行う事業者を排除できなかった。最低賃金法違反を約20%も野放しにする営業形態を看過している。これらの現状を改善するため、国交大臣はガイドラインをつくるというが、法改正が伴わなければ意味がない。全国でタクシーの運賃というものの哲学を見直そうということで、法律を提案した。すなわち、適正原価に適正利潤を加えたものと明確に定めることにより、結果的に、事実上の同一地域同一運賃が実現する!」と、法改正の趣旨を再度、丁寧に説明。

 民主党の後藤議員からの「今回の野党案の法改正で、最低賃金法違反は是正できるのか?」との質問には、「最低賃金違反率は、2002年の6.6%であったものが、2007年には17%を超えている。他産業と比較しても看過できない問題。歩合制賃金というタクシー業界固有の構造的な課題も、労使問題もある。労働法制を所管する監督署の監査等も必要。しかし、アカンことはアカン!との観点での立法措置が必要。」と主張。
 重ねて、「最賃割れ是正のために、現行の上限認可制を廃止して、原価を適正なものに定め、それの適正な利潤を加えたもので運賃を設定し、その運賃に限って認可する。また、道路運送法9条の3、第2項第1号『適正な原価に適正な利潤を超えない』という部分を変えなければ意味を持たない。」と説明し、賛同を求めた。

 今回のタクシー関連法案の審議も、いよいよ大詰めを迎えつつある。タクシー事業者や運転者、さらには利用者にとってより良い法律を立法出来るよう、引き続き、与党と真摯な修正協議を行っていく。

 

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