通常国会最終日の国土交通員会。三日月議員は自身のこれまでのJR在籍時代の経験や議論を踏まえながら、「国鉄改革後20年に向けた検証」「JR三島会社の経営問題」「鉄道貨物の振興と実効あるモーダルシフト」「バリアフリー対策」について国土交通大臣及び国土交通省の考え方を質した。
三日月議員はまず、国土交通大臣に対して、JR発足から今日までの成果と課題について、プラスの面として「経営の自主性」「安全確保」「サービス向上」「財政面の改善」、そしてマイナスの面として「JR三島・貨物会社の経営問題」「一部会社の労務政策」をあげ、国土交通大臣に現状の認識を質問した。
上のお兄さんが下の子供達の面倒をみる?
これらの質問に対し、石原大臣は信頼性や快適性などが高まったことは認めつつ、しかし九州新幹線について「西日本も元はと言えば国鉄なわけだから、西日本の方でやはり九州新幹線の費用を少し面倒を見るとか。上のお兄さんが下の子供達の面倒をみるということも、経営者の皆さんは忘れてはならないんじゃないか。」などと時代錯誤も甚だしい答弁をする始末であった。
三日月議員は続けて、JRの三島問題については、各社の経営努力によって営業赤字が格段に減少してきている状況を踏まえ、平成18年度末で切れる経営安定基金について、次なる支援策の検討を是非とも早めるよう要請した。また、環境対策と中長期的な国際競争力を高めるという面からも、モーダルシフトの推進が不可欠であり、国家的な合意形成が必要だと強く訴えた。
また、平成12年政府与党申し合わせで公共事業のあり方について効率化や重点化の観点から見直しが進められている中で、「整備新幹線の未着工区間の3区間の同時着工や線路はないが駅だけ先行して作る」「空港についても関空、伊丹がある中で神戸空港までつくる」、更に「将来の建設財源を先食いするだけでなく、JRの本州3社は納税といった形で社会的な対価を支払っているにも関わらず、新たな負担をさせようとしているという問題」に対して、「無茶苦茶であるし、それぞれの分野ごとが独立した交通基盤整備がなされている。」と糾弾。そして、「総合交通政策、総合交通財源が是非とも必要ではないか。」と訴えた。
新しく作ることよりも今あるインフラをより使いやすくすることの方が重要
更に、交通基盤を整備しても、様々な事情で利用できない方に対する対策が非常に重要であり、21世紀はこれまで造ってきた交通インフラを利用しやすくすることが、コンクリート構造物を作るより大切ではないかと問題提起した。交通バリアフリーの問題も、大規模駅のバリアフリーほど積極的に整備する必要があるし、管理維持していく方が経費がかかるわけであり、その基準、内容の見直しが必要であると言うことを訴えて、国会議員となって初の通常国会での質疑を終えた。
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