朝一番で竜王町総合運動公園に向かい、滋賀県消防協会八幡支部連合出初式に出席。関係者の皆さんに敬意を表し、防災体制の強化を共に進めてまいりたいとごあいさついたしました。
その後、長浜市木之本町杉野にある田舎暮らし体験、杉野川ふるさとの家「さきち」に向かう。今日から湖北居住をスタートします。
杉野に到着後、まず自治会の総会でお集まりの皆様にごあいさつをさせていただきました。今回は昨年より少し期間は短く、今日から14日までの5日間ですが、冬の杉野に住まいし、湖北の暮らしを体感したり、集落の皆さんとゆっくりとお話する時間を大切にしたいと考えております。
午後、長浜市木之本スティックホールで、旧伊香郡4町出身の方を主な対象として開催された「平成28年新成人を祝うつどい」に出席。お祝いの言葉を贈らせていただきました。
続いて、MUSUBU SHIGAの特別リサーチャーとなり、菅浦の湖岸集落景観と湖北の観音信仰を巡る。MUSUBU SHIGAは、「地域産業」、「ランドスケープ」、「歴史・文化」などの専門家のリサーチにより、新たな視点で“滋賀の魅力”を掘り下げていきながら人々と滋賀をつなぐプロジェクト。今回は私が独自の歴史・文化を育んできた集落、日常の暮らしの中で観音様を守る集落の方々から日頃の思いをお聞かせいただきました。
菅浦の湖岸集落景観は、平成26年10月に国の重要文化的景観に選定された地域。中世には、「惣(そう)」といわれる自治的村落を全国的にもいち早く形成し、自治が発達してきたこと、村の内外を明確に分けるために建てられた「四足門」と呼ばれる門が残されおり、人の出入りを厳しくチェックし村の安全を守っていたこと、戦後は、ヤンマーの家庭工場が建てられ菅浦の生計を支えてきたことなど、限られた環境を巧みに利用して暮らしてこられた歴史をお聞かせいただきました。
続いて、大浦観音堂でお話をうかがう。
本尊の十一面観音像は、「腹帯観音」と呼ばれ、この観音像の少しふっくらした腹部にサラシの「腹帯」を巻付け、その腹帯をいただくと安産できるという熱心な信仰が全国的にも広く知られているとのこと。観音堂には住職を置かず、それぞれの仕事もお忙しい中で、40歳代の方が中心になって守り続けてこられている、その思いをお聞きかせいただきました。
最後に、安念寺、通称いも観音をお訪ねする。
本堂に安置されている仏像は、戦国時代、合戦から守るため、村人らが田んぼなどの土中に埋め、その後「いも」を洗うように余呉川で洗い清めたと言い伝えられているそうです。平成26年3月に東京藝術大学大学美術館で開催された東京観音展「観音の里の祈りとくらし展-びわ湖・長浜のホトケたち-」に、腹帯観音とともに展示され反響が大きかったことや、今後どのように守り継いでいくかなどについてお話いただきました。
いずれの地域も、地域の皆さんの信仰の篤さ、次の世代にしっかり引き継ごうという強い思いが伝わるとともに、平安時代からの先人の教えや代々大切にしてきたものを謙虚に受け継ぎ、今も日常の中に織り込んで暮らしている人たちがいる、この滋賀の素晴らしさを改めて感じました。